秋に咲く桜華
散り様を楽しむ作品ではあるが、まだ散ってしまってはダメだみっさま!!
という作品であった。とうとう星組さんまでムラ遠征をするようになってしまった今日この頃お元気ですかわたくしは元気です。宝塚さえあれば。
遠征の要因はせお。わたしはせおのためなら交通費などはものともしない、ものともするのは休暇(切実)。
OPからしていまの星組の美の暴力を時代物の青天や総髪で受ける羽目になる。しあわせ!
かいぽこせおしどりゅー並べるとかなんてことしてくれるの!オペラに納まりきらないから!!!ってことで気が付いたら回数増やしてる。星組さんこわい。
かいちゃんせお(しどりゅーもだと思う)の総髪の鬘の威力よ!!おっそろしーわーーーーーー。かいちゃんはただただお美しく美剣士の体であるのに、対するせおは美しさの中に男くささみたいなものが滲み出ててほんとせおさんいい男役になったわーーーーーー(言うまでもありませんがここはせおさん絶賛ブログです)。その間に長身しかも美形なのは言うまでもない上に今回お衣装が青系統なぽこ様の青天(絶命)。完璧どころか必ず仕留めるといわんばかりの配置である。なんなのもうここで寿命の大半削られたわ。
そして今回ストーリーテラー的である犬養まおゆっこ。こんなにかっこいい新聞売りや従軍記者はいません……(我に返る。雪組剣心ではまなはるみたいな瓦版売りやあすくんみたいな新聞売りはいません!って思いましたけども、星組さんの新聞売りもまぁこれまたそこら辺にいるわけないしいたら新聞媒体衰退しないんじゃない?(言い過ぎ)ってくらいの異次元さである。永輝こっちゃん押さえつけるのも本来口と頭の回転で的なはずなのに長身で押さえつけてる感すごい。従軍記者のお仕着せ制服着ても異次元のスタイルの良さ。老いて和装で杖付いても脚長いから脅威の腰の高さよ。なんつースター性なのまおくん。
山縣しーらんが格好良すぎて、今回桜華作品中でなりたい役は、蔑まれつつ財布を投げつけられたい(どんだけだ)ので太郎ちゃんです!あの冴え冴えとしたしーらんの佇まいはたまらんねぇ。
そしてしーらんときたらもちろんみっきー。宝塚が誇るというかわたくしの大好きなロイヤル91天寿光希さまの篠原。鹿児島で蜂起してからの軍服にマントの美しさよ。オスカルかと思った。みっきーがあの姿で剣を翳して0番に立ったから鹿児島は最早パリ。そういうことです。
あの場面から急に散り際の美しさが増す。すごい。桜が散るんだなという風情が一気に。あそこにみっきー持ってきたのはそれを狙ったのか演出の先生に聞きたい。
最初は総髪に薪を拾って背負って登場するお姿もこんな鄙にまたもや美形が状態である。甘藷どころか美形の産地なんじゃないのか鹿児島。
ストーリー上欠くことの出来ない会津征伐。
ここでもまた隙のないぴーすけ容保……なんつー適材適所な配役なの。司馬遼太郎作王城の護衛者を愛読しているわたくしとしては涙ものの配役である。
そして愛奈姫きいちゃん。愛奈といっても雪組の沙月嬢ではない。会津藩の姫様である、がちょっと高貴な役に必要なはったりみたいなものが足りない気がする。居ずまいとか声を発したときの周囲を従わせるなにかが足りない気がするなぁ。お歌は今更言うまでもなく朗々とお上手である。立ち姿だけならはるこ嬢のが向いてたのではと思うがことふうぴーすけに対して学年が上過ぎるか。姫役者というのは難しい。
遊女に身を落としてからは組長様や上級生からのご指導のたまものかなんとも言えない清廉な色香を感じました。永輝としあわせになるEDもあったのではないかと思うがそれもなかなか難しいか。
今回の桐野の第一の敵方こっちゃん永輝。うっかりするとひとこちゃんの芸名苗字に見えてしまう雪組脳である。
とにかく桐野が憎い。その一貫性が素晴らしい。なんていうか。剣心咲ちゃんのやった斎藤一氏を彷彿とさせる。長着を着てはいるがいつ銀橋で悪・即・斬って歌い出すのかと……。軍服に着替え煙草も吸っちゃったりするんで尚更である。桐野を見出したらその場で切り捨てるのが永輝。
こっちゃん意外とやさぐれ似合う(褒めてる)。あとは身長さえあればと思わずにはいられない。最近立ち位置的に後ろや隣にぽこまおが並ぶことが多いからそう思うが。天は万物をもは与えなかったか。
しかしそんなに桐野を憎まなくてもと思わなくもないが、憎まないとこの舞台は話が進まないし終わりもしない。残酷な業を背負ったお役である。桜を散らすのはあなた。
そしてなぜ短期トップコンビは退団作で娘1は結ばれないのか(2年ぶり2度目)、の吹優風ちゃん。これまた袴に襷掛けで薙刀を凛と振り回す姿の似合うこと似合うこと。家老の娘であるはずだが、こちらはちゃんと姫というか支配者層の居ずまい立ち振る舞いがある。そこが学年差かつトップ娘役の技量か。
さてここで早2000文字超えてるんで焦り始めました。まだ川路も高木も大久保も西郷も衣波にも触れてないぞ……忘れちゃいけないほのか太郎ちゃんにも触れてない(名前は出した)。そもそも東京に辿り着けてない。
さて。ここでこの作品を読む上では上士と郷士という武士身分制度を知らなきゃいけない。簡単に言うと後者は在郷、前者がお城勤め(とも限らないけどそういうイメージ)。とにかく前者の身分が高くてぶいぶい言わせてるわけです。詳しくはWikipediaを読むか大河篤姫前半を見るといいと思います(わたしの知識は後者から)。
今回キャスト一覧には藩士、下士、郷士と別けてあるから更に微妙な階級差がある。下士まではちゃんとしたお侍さん的なイメージ。郷士は帯刀は許されているけれども。桐野はここでいう中間層(でも身分は低い)の下士である。あいりヒサが縁談が決まったと言って喜ばれるのも相手が下士であるから。どんなに好きでもさゆみさん衣波は郷士である。娘のしあわせを願ったら少しでもいいおうちにという話。
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/14
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